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死刑にいたる病のKAIRIのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
4.5
こっち側にきたらもう戻れないよ

「孤狼の血」、「凶悪」、「日本で一番悪い奴ら」などの最悪だけど惹かれるような作品を多く生み出す白石和彌監督の最新作!
ひとつひとつのシーンに白石監督のこだわりを感じた。

そして、遺体や損傷シーンはだいぶ手が込んでて生々しい🫣

阿部サダヲさんの猟奇的殺人鬼、似合ってるし怖すぎる😱
ムロツヨシさんや佐藤二朗さんなどコミカルな役が多い俳優さんほど狂気的な役が似合うことを改めて実感した🤔

人を虜にしてしまうカリスマ感。
光がない真っ黒な瞳の奥に潜む残虐性。
素晴らしかった👍

個人的にはロン毛の頃の榛村大和の方がめちゃくちゃ怖かった印象ww
あと、榛村大和の中学生時代を演じた子役の子が阿部サダヲにそっくりです…

猟奇的なシーンや存在自体が狂気だけではなくて美しさも感じさせる😌
原作では美青年という設定だが、見た目が全く違う阿部サダヲでもどこか美しく感じた。

細かい伏線が多い!ミスリードも多い!
どんどんストーリーが2転3転していって、何が嘘で何が真実か、最後には誰も信じられなくなるほどの恐怖が迫る良作でした😌













↓⚠️ここからネタバレあり

榛村大和が桜をまくシーンから始まる。
用水路にヒラヒラと落ちる桜の花びら。
端には赤い血が付いている。
このシーン、まさか桜じゃなくて“爪”だとは思わんよな🙄

爪に異常な執着を持つ榛村大和。
「許してください」という少女の言葉にゆっくりと首を横に振る。
そして、指を万力で固定してペンチで爪を剥がす。
それを何人も何人も行う。
序盤、燻製小屋で行われる拷問シーンはだいぶ強烈ww

初っ端のお母さんの「私、決めれないから」という一言。
あの一言が話を進んでくと伏線だったのかなと気付かされる🤔
金山一輝も優柔不断で自分で決めることが出来ない人物。
榛村大和と関わった人物は意思決定ができない人物が多い。
「榛村と関わっていた」ということだけでなく「辛い過去がある」という点でも伏線になってた気がした🙄

榛村の殺人の計画性にはだいぶ驚き😲
全て自然のように振る舞い、自然なタイミングを狙って出会う。
少しづつお互いの距離を縮めて、誘拐した後に拷問で殺害。
特に恨みも怒りもなく、ただ好みで人を殺す典型的なサイコパス。
怖すぎだろ…🥲

何度かある面会のシーン。
このシーンは違和感だらけだった。

まずアクリル板越しでの会話、榛村大和側から見た時だけ雅也と反射した榛村が隣同士なっている。
ある事が起きたタイミングで雅也と反射した榛村がピッタリと重なったり離れたりする。
これが非常に不気味で見事な演出🤗

アクリル板越しにいるはずなのに手が触れ合うシーンや榛村がアクリル板を超えて雅也の元に来るシーンも互いの気持ちが繋がる瞬間や重なる瞬間、雅也を侵食していく感じを表現してると感じた🤔

榛村大和が起こした連続殺人とは別の事件。
これもかなりイカれてる😫
・中学生の頃、小学生女児の後頭部をレンガで殴り、石を陰部に詰めた後、顔面の上で連続ジャンプ
・金山一輝と大地の兄弟を「痛い遊び」と称してお互いを傷つけさせる
どの事件も一瞬ながら強烈なインパクトがあり、即座にヤバさが伝わってくる😣

最後の面会のシーン、何故か看守はすぐに面会をやめない。
この前に、ほんのちょっと娘と本の話で榛村と看守が通じあっているシーンがある。
このシーンから榛村は看守をも虜にさせる入念な計画になっていたことが伝わる。
榛村大和の計画性の高さ、恐るべし🥹

実は灯里も榛村から手紙が届いていて、事件を調べていたというラスト。
灯里が登場するシーンでたまに灯里の目が真っ黒に見えて、榛村に見えるシーンが何ヶ所かあった(気のせいか?ww)
これは既に榛村と出会っていて、心酔してしまっているということを表していたのかとも思わされる🤔

自分の父親が榛村なんじゃないかと思い始めてから、雅也だって何回か榛村と同じ目になるシーンがあった気がする。
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