正常なジャッジを下す立場の主要登場人物がいないので、話の展開は静かーにクレイジーなダークサイドへとじわじわーと落ちていく…。
大学生グループと弁護士が唯一リアリティのあるモブ達。
阿部サダヲの衣装があまりに阿部サダヲで、似合ってて、でも、その衣装の感じだとイメージがばっちし阿部サダヲだから、なんだか猟奇犯罪者の役のイメージを阿部サダヲのイメージがマウントとってしまっていて、映画的には良いんだか悪いんだか判断の甲乙つけ難いです。阿部サダヲを観たい自分にとっては、怖い阿部サダヲが観れた満足感はあるのですが…。
しかし、『3度目の殺人』のあの男はピーナッツ・バターが好きだった点しか理解できなかった、あの得体の知れない人物像までは迫れてないかなぁと感じました。本作は、結局のところ、知能犯という枠組みを超えられていなくて、結局は知能犯という点に回収できてしまうのですよね…。犯人は、人心掌握術に長けた催眠術師だったのかな、みたいな。欲張りすぎたかな。
