馬乃

死刑にいたる病の馬乃のネタバレレビュー・内容・結末

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

「死刑にいたる病 」
.
24件もの連続殺人事件の犯人から1通の手紙が届いたことを機に、主人公は言葉巧みに翻弄/扇動され、その末に残酷な真実に辿り着く。

表面上では人を労り、息をするように肯定的な言葉を投げ掛けるが、いつが頃合かと吟味する様なその眼は、獲物を喰らおうとする“捕食者”そのもの。
犯人/榛村は、その言葉と態度で観客をも惹きつけ、操る。彼の「今、君の手を握れたらいいんだけどな。」という言葉と、遠慮がちに微笑む姿にはそれがよく表れていた。花びらのように見えていたものは、彼の執着と異常性を具現化したものだったと理解できた時、あまりの恐ろしさに、二度と彼の眼を正面から見られなくなる。

日常生活の中で、「死刑にいたる病」程の出来事は通常無いにしても、私達の周囲には、悪意をもって人の弱みに付け込み、自らの利益の為に他人を利用しようと企む人間が一定数いる。彼らに自らの隙を与えないためにも、他人に自分の選択と判断を委ねてはいけないと思わされた映画。榛村の様な“捕食者”は人の弱く脆い部分を的確に捉え、適切なタイミングで、何の罪悪感も持たずに、丁寧に人を壊すことができるのだから。

最後に、この内容でR12指定ってゆるくないか。
馬乃

馬乃