面白かった。面白かったんだけど、という。
不気味サイコ野郎やばいねー！みたいな映画かと思ってたら、その通りだったんだけどヤバさが度を超えてた。
やってる事が無茶苦茶でことごとく想像を超えてくるから「えー！」の連続だった。
これがとても面白くもあるんだけどただショッキングなだけとも言えた。
想像を超え過ぎて流石に「こういう奴いるよねー！」とはならないし、現実と乖離し過ぎてなんでもありだなという印象もある。それはそれでいいんだけど、犯人はなぜこんなになっちゃったのかを裏付ける決定的なシーンがないので「自分が彼と同じ立場だったら同じ事をしてたかもな、彼も被害者かもな」とか法律や警察の限界だなとか鑑賞後の余韻で色々考えさせられる事がなかった。
サイコサスペンスを作るはずがホラーっぽくなってしまってたという印象で、サイコサスペンスなら深みが欲しいし、ホラーなら誰もが被害者or加害者になりうるといった逃れられない恐怖が欲しい。
振り返ってみるとその辺が煮え切らなかったな。
とはいえ予想を超える物語展開、阿部サダヲの怪演、おぞましい絵作り、ミポリンの存在感など良いとこも沢山ありました！
