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死刑にいたる病のRISAのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.5
ー 戻れたらもっと上手くできたでしょうね、

孤狼の血を手掛けた白石監督✕阿部サダヲ
という組み合わせからして、
期待値の高かった本作。

原作は2017年に文庫化された
ホラーやミステリーの題材を描く作家、
櫛木理宇さんの長編サスペンス小説みたい。

普段洋画ばかりみているから
久しぶりの邦画作品だったけど、、
物語が進むにつれて
事件の核心に、タイトルの意味に
迫っていく感覚が面白かったな〜

陽気なお芝居のイメージが強い阿部さんが
純度の高いサイコパスを演じられてるのが
個人的にはやっぱり1番魅力的で。

樫村大和の”理解不能なサイコパス“が
理解できてしまうかもと感じる演出や
(観客は映画を見ているときに、
物語の推理とともに登場する
キャラクターを理解しようとするからね)
主人公、まさやくんの若さゆえに
突き進み、翻弄され、変化していく姿も
すごく魅力的だったな〜。

ただ結末に関しては少し“?”が残っていて
考察レビューなんかを参考にしてみたら、
タイトルの意味に繋がって、
良い意味でもやもやするようなね、
(映画セブンみたいなもやもや感。笑)

実際に死刑に至る罪を犯した人って
存在こそは処理されたとしても
その被害や爪痕と、
その後に影響は及ぼされていくわけで。
それってまさに伝染病と同じなのかなと。

その罪を知ったり、触れたりしただけで
自分もその罪に感染してしまう。
免疫がある人は強く跳ね除けられても、
免疫の弱い人は受け入れてしまう。なんてね。

とはいえ樫村のやり口は、
本当に日常に染まりきった脅威すぎて
素直に怖かったし、
自分の罪を本当”病“くらいの感覚で
受け入れて正当化している姿は
おぞましかったな〜
RISA

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