Morohashi

死刑にいたる病のMorohashiのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
4.5
キールケゴールの「死に至る病」をもじったタイトル。
死に至る病はうつ病の話だったけれど、こちらは連続猟奇殺人犯の話。

犯人役の阿部サダヲの表情、ルックス、演技すべてがガチのサイコパスに見えた。
もはや何を考えているのか全くわからない目がやたらと怖い。こういう目を持つ人と日常で出会ったとしたら、本当に怖いんだろうな。
意外と私達は目を見て人を判断しているんだなと再認識した。

内容が内容なのでなかなかのグロテスクなシーンがあるが、このクオリティがすごい。怪我をしている描写とか、どうやって撮ったんだろう?
拘置所のセットも圧巻。あの密室での心の交流をああいう形で描いたのはさすが。
美術の力でここまでのことができるのか!と密かに感激。

ところで最初の方で、大学でキールケゴールについての講義をしている人物は脚本家の加藤正人先生。白石和彌監督とのつながりで出演されたのでしょうか。

最後に、あの血をなめてあげちゃうシーンは、ちょっとゾッとした。自分がだれかの親友でも、あんなことはしないけど、って。
この映画の中に誰かまともな人間はいないのか!ってツッコミたくなった。
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