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死刑にいたる病のrrのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.6
昨年映画館で観そびれてしまい楽しみにとっておいた映画、死刑に至る病を視聴しました。原作の小説は未読です。

祖母の葬式からはじまり家庭内の関係や、学校での行き場のなさ、様々な不満や鬱屈とした空気がじめじめとまとわりつき、何だか息苦しい そんな陰のある大学生主人公と、仕事も規則正しく人柄も愛されて好感の持てるパン屋の連続殺人鬼の2人を主軸にしたお話しでした。
映画を観ながらずっとザワザワした気分と、席を立てない緊張感があり、気づけば一本集中して観入ってしまいました。

トレーラーや予告でも印象深い面会室での会話シーンは、ガラスに反射して2人の顔が重なったり不気味に目だけ浮かび上がったり、話してる向こう側の相手の表情が見えたり…面会室で話している場面は特に好きで注視しておりましたが、籠った声と無機質で狭い部屋、真っ直ぐに見つめ合う狭い箱の空間はガラスがあってもなんだか人柄の良さを感じたり、恐ろしさを覚えたり…
色々思考を巡らせながら観ておりましたが映画で回収してくれる部分と、余白を残してくれる部分が気持ちがいいです。

水上さんと阿部さんの演技が対照的で、途中そっくりにみえたりもして、楽しく観ることができました。ままグロテスクなシーンも出てくるのですが、対象となる若い男女の引っ掻いたような絶叫と、殺人鬼の榛村の吸い込まれるような真っ黒な瞳が怖くてたまりません…。終盤は様々な感情でぐちゃぐちゃになりながらエンドロールを眺めておりました。
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