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死刑にいたる病のoskyutのネタバレレビュー・内容・結末

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

とても良い阿部サダヲだった。
凶悪のリリーフランキーとか、パブリックイメージからかけ離れてるけどばっちり役に合う気持ちよさが白石和彌監督作品にはあると思ってて、今回もそれがバッチバチに良かった。

主人公の大学生が、殺人で起訴されている中学生の頃に通っていたパン屋の店主・榛村から手紙をもらい、面会の際にいくつかの殺人事件の中で自分ではやってない殺人が一件混ざってると言われてから榛村の起こした事件について調べていく。
その過程で、榛村が計画的で殺す対象も17.8歳の真面目で頭の良い子だけを狙っていたと突き止める。
そこで、もしかしたら榛村が自分を中学生から少し大きくなるまで待ってから狙おうとしてたのではないかと疑いを持ち始める。

この作品で嫌と言うほど出てくるが、この主人公、Fラン大学生なのだ。
頭が良くない。
初めから対象外、蚊帳の外。
その証拠に、同じ大学に通っている同じ中学出身の女の子も、以前榛村のパン屋に通っていたようだが、この子もしっかり生きている。
もしかしたら自分が〜なんて自意識過剰になるより先に榛村が狙っていた対象と自分を冷静に比較できなかったものか。

この滑稽さを榛村は楽しんでたのかなぁと妙に納得した。
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