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死刑にいたる病のhebのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.9
物憂げで不安定で、常に状況に翻弄され続ける主人公を演じた岡田健史さん、生来の雰囲気なのか芸達者なのか分かりませんが、見事な演技で作品全体のクオリティを底上げしてくれていると思います。

既に捉えられた連続殺人犯と節目節目でコンタクトを取りながら進む物語は、どこか羊たちの沈黙の様な雰囲気も纏いながらテンポよく展開していきます。
エグめのバイオレンスから始まり、徐々に榛村に取り込まれていくかのような主人公の変容、母親や自身の出生にまで絡んでくる様々な謎。
とにかく飽きさせない要素がてんこ盛りで、2時間ずっとのめり込んで観る事ができました。

ラストシーンは初見の印象では蛇足だなと感じたのですが、よく振り返ってみるとそういう事かと思えるようなフリがいくつも仕込まれていたのに気付きます。ただそれを踏まえても、やはり少し飛躍が過ぎる気はします。
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