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死刑にいたる病のkojikojiのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.6
No.1627 監督:白石和彌 「虎狼の血」の監督さん。 
原作は櫛木理宇による長編サスペンス小説

小説を読んでいるように感じる映画だった。
なかなか面白いと思って観ていたが、ラストで滑ってしまった。この手の物語の、人に取り憑く「病」は決して消えない、伝染していくというパターンは、あまりに多く觀過ぎて、今では逆に幼稚に感じてしまう。興醒めだった。なんだろう。原作者がこの手の小説や映画の影響をしっかり受けているようで、二番煎じにしか思えず、その工夫の無さにガッカリしたのか。

 劣等感に苛まれている大学生の雅也(水上恒司)は、ある日、24人もの少年少女を殺害したとして世間を震撼させている稀代の連続殺人鬼・榛村 (はいむら)(阿部サダヲ)から1通の手紙を受け取る。雅也が中学生の時、この榛村から親切にされていた。
 死刑判決を受けている榛村は、雅也に連続殺人事件で一件だけ自分がやっていない事件がある。その真犯人を突き止めて欲しいと言う。

 面白い導入部、犯人を追う主人公がいかにも小説らしい主人公で新鮮だった。これは良かった。加えて、この雅也を演じる水上恒司が、演技は一本調子で上手くないが、この主人公にあっている気がして、非常に良かった。
 阿部サダヲの怪演が話題の映画だったが、あまりにその話を聞かされていたからか、普通の出来のようにしか見えなかった。
それはそうなのだ、なんと言っても我々はすでにレクター博士に遭遇しているのだから。
どうしても比較してしまう。
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