Moomin

世の中にたえて桜のなかりせばのMoominのレビュー・感想・評価

3.4
脚本や演出に疑問を持つということ

あることをきっかけに不登校となり、終活アドバイザーとしてバイトをする主人公
マニュアル通りにいかない人間関係と向き合う

流石に目を潰れないほど演出の粗が目立つ
同じ空間での説明のセリフが多く
語らなくていい情報が多い
設定や観点も面白いだけに色々な技術が追いついていない
映画を撮りたかったのか、岩本さんを撮りたかったのか
厳しいこと言うと映画内の気付きも、高校生止まりで含みが少なく 映ってるものや語っていることが全てだった
観客の想像にもっと委ねるべき

それでも川と夕陽をバックにした依頼人のショットは美しかった
そこを、カメラ回そう、少年よ

タイトルにもあるような文学チックで、日本の戦争の傷跡にも注目し、国語の先生も出てることもあり 奥行きを作れそうなポイントが沢山あっただけに残念

渡された本や与えられたセリフに対して
俳優陣が制作陣とどこまで深堀して、どこまで疑問を持って進められたのか
その浅さが出てしまっている
Moomin

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