歌代

サウダーヂ デジタルリマスター版の歌代のレビュー・感想・評価

4.5
山梨県甲府市。
バブルが弾け、不況を経て活気を失った街。
ドカタやラッパーや移民の人たち…邦画が描きにくい、けど確かにある人たちを捉えた群像劇。

「わかる、わかるよ」「あんたはわかってる」
といった言葉が笑える感じで多く出てきますが、その実全然わかりあえてない。
それどころか言葉の壁がなくても分断は起きている。

失い続けるセイジがいだく"サウダーヂ"は恋人のタイ人とは全く見てるものが違う理想郷。
「あなたタイに何があると思ってるの!?」と聞かれてましたけども。
そんなセイジがラストに見る幻影。かかる曲。
映画で今まで感じたことのないような揺さぶられ方をしました。

ラッパー・ユーフォーケー(表記がわからなかった)のどんどん孤立していく姿、ビンちゃんだったりセイジの奥さんだったり、宗教、政治家、マリファナ…もう傑作!

ソフト化も配信もしない空族作品、また映画館がかかるタイミングあったら3度目4度目も観たいと思いました。
歌代

歌代