kuu

無慈悲な光のkuuのレビュー・感想・評価

無慈悲な光(2021年製作の映画)
2.0
『無慈悲な光』
製作年2021年。
上映時間 99分。

Av女優たちが主演してたが、アダルトエロ要素全くNothingで、生死について問うシリアスなストーリー展開は好感がもてた。
2019年7月上演の同名舞台劇を映画化。
出演はAIKA、あべみかこ、栄川乃亜、加藤あやの、久留木玲、つぼみ、本庄鈴、山岸逢花。
ホンマキレイな人が多なったなぁAvの世界も。
個人的には、その手は洋ピンものしか見ないがAIKAは知っとりますエッヘン(自慢できることやないが、それも、どうでもエエんですが)。
劇作家の、えのもとぐりむが原作・脚本。
映画や舞台にも出演するお笑い芸人のカジがメガホンをとった。

ある無機質な研究所の一室。
そこに5匹の実験動物が集められるが、その実験動物たちは人間とまったく同じ姿をしており、自分たちは人間だと主張していた。
実験の道具にされた5匹の動物たちの最後には、安楽死が待ち受けていたが。。。

お笑い芸人であるカジ(名前すら知らんかったんやけど、検索したらミスターおくれさんの若い時見たいな人やったカネくれ~ぇ)がアダルトビデオイベントや関連番組のMCとかでAV女優と接するうち、舞台や演技に興味ありそうな女優に声をかけ企画やそうだ。
原作は、えのもとぐりむの書下ろし作である『マウスの道徳』であり、えのもと自ら登場人物をすべて女性に置き換え脚本提供している。
オープニングテロップのキャスト主演8人(って各女優さんへの配慮かな)の名を見るとアダルトビデオフリークなら垂涎もの?
なんやと思います。
ただ、あんなこと、こんなことは行われず、至って真面目な演出でオーバーリアクションとセリフで演じられてた。
まぁ舞台劇を映画化したものやし、演出は舞台風にはなってんのは致し方ないが、映画としてはサブい。
ただ、オーバーリアクションを見てる側はどない受け取るにせよ、今作品の俳優さんたちは、真摯に演出に応えとんは伝わるかな(巧いヘタ別として)。
やり易い、やりにくい役柄とかあんのやろけど、申し訳無いけど、俳優の三人意外の演技は残念ラジー賞総ナメ超ド級かな、珍ナメはアカデミー賞級かも知れへんが(失礼、また、被験者番号で呼ばれてたが、映画は結構記憶する方やけど覚えてません🥺)。
某研究所に5人の女子達が一室に軟禁され、医者と看護師と研究者ちゅう計8人で物語が展開される。
お話自体は、
『命の尊厳』や『無慈悲』と、ホンでもっての、パンドラの箱のような『少しの希望』みたいなものがチョイあって、人として考えなきゃならん事柄を扱ってるが、個人的には浅く感じた。
しかし、この手の真面目なお話を、彼女たちAv女優たちが演じている事を鑑みたら作品自体に深長さを醸し出してたかな(歯が人工的に白い反面、目元がやけに疲れてる方が多かった)。
今作品の無慈悲なお話と、彼女たちの通ってきたハンパない人生(アダルトビデオ業界の世知辛い世の中)をリンクさせたら、妙に切なくなったし、同じように少しの希望(手慰みとしか扱われにくいセクシー女優にこないな真っ当な映画作品の主演チャンスが訪れたことへの、まぁ多くがセクシーを売りに作られた戦隊ものなんかの低予算作品は腐るほど有るが数うるに足らん)を感じたかな。
打算的な世界で巧みに時代を切り抜いている彼女たち女優と製作陣の真摯さが伝わる作品かな。
また、『命の尊さ』についても、今作品では、新薬開発のためのモルモット扱いをされてる彼女たちを描き命の尊厳の是非を問うてる。
女優さんたちもそんな脚本に、自分達を重ね合わせて演じとったんかな。
まぁ、今作品に出演しとんのは、その業界でもトップの人たちやろし、打算的なんはかわりないかもしれへんが。
『生きとし生きるものの命の尊厳』
この議論については、現代日本は、少しづつユダヤ・キリスト教的価値観を基盤とする欧米に相乗りしていってる(SDGsやっても日本の意思って云うよりも相乗り)。
と云うのも、
伝統的な人間至上主義を否定する動物の権利論と、
人間の利益の為の動物利用を容認する動物福祉論
との対立関係二者択一のみと化して来てる。
両者の表立った争点は動物の搾取の廃止か規制か、という点やけど、より根本的には、世界における人間の地位に関して論争が続いている。
それもまた日本はそこに、ウンウンと頷いてるだけの傍目者価値観。
傍目八目でより善き手だては見えてるものの行動が伴わない日本の風潮。
日本はユダヤ・キリスト教的な伝統を持たないさかいに、そこの部分ではハリボテの理念信条しかなくなってる。
故に、現代邦画における命の尊厳を描く低予算作品は得てして薄っぺらいのしか輩出しなくなってきとると思ってしまう(偏見やろけど)。
勿論、己のド頭で考えた信条理念を持ち合わせてる方も沢山居て、善き作品を産み出してるのはあるし、理解してるけど。
ただ、近代以前は、人間と人間意外の生命との関係性は欧米とは異なっていた点を踏まえれば日本も独自の命の尊厳を明確にする時期でもあるんちゃうかと。
そう考えたら、今作品が提示する問いは巧いかな。
生命の権利論に対する批判で持ち出される基本的人権についても深掘り出来そうやし、しいては現代における動物利用の中でも実験に焦点を当てた今作品ならば、次は肉食の為に過剰に命を奪ってる現実に焦点をあてた作品を是非ともつくってほしいかな。
カニバリズム的な作品になりそうやし、邦画やと、またまたサブい作品になるんかな。
是枝裕和あたりに監督、脚本やって頂き作ってほしい。
そして、人間が他の命を奪う、動物実験と過剰な肉食と質的変化を浮き彫りにし、あらためて人間至上主義について考察できる二部作として世に問うてほしいかな。。。
何を書いてんだかわからなくなりましたが、観る側に問う作品としては、悪くなかったっす。
映画としては🙅。
kuu

kuu