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カラダ探しのkuuのレビュー・感想・評価

カラダ探し(2022年製作の映画)
2.9
『カラダ探し』
映倫区分 PG12
製作年 2022年。上映時間 102分。
小説投稿サイト『エブリスタ』で話題を集めた携帯小説で(知りませんが)、2014年には漫画化もされた人気作品『カラダ探し』を、橋本環奈の主演で映画化。無残に殺される日を何度も繰り返すことになる高校生たちの恐怖を描いた。
主人公の明日香を橋本、幼なじみの高広を眞栄田郷敦が演じるほか、山本舞香、神尾楓珠、醍醐虎汰朗、横田真悠ら注目の若手キャストが集結。
羽住英一郎監督がメガホンをとった。
主題歌は椎名林檎が作詞、作編曲を手掛け、Adoが歌う『行方知れず』

7月5日、女子高生の森崎明日香は、校内でいるはずのない幼い少女と出会い、『私のカラダ、探して』という不気味な言葉をかけられる。
不思議な出来事に違和感を覚えつつも、いつも通りの一日を終えようとしていた明日香。
しかし、午前0時を迎えた瞬間、気が付くと彼女は深夜の学校にいた。そこには明日香の幼なじみで最近は疎遠になっていた高広と、普段は接点のないクラスメイト4人も一緒にいた。困惑する6人の前に、全身が血で染まった少女『赤い人』が現れ、6人を次々と惨殺していく。
すると明日香は自室のベッドで目を覚まし、7月5日の朝に戻っていた。
その日から6人は同じ日を繰り返すことになり、そのループを抜け出す唯一の方法は、とある少女のバラバラにされたカラダをすべて見つけ出すことだった。


悪態重ねる感想になりますし、原作及び今作品の熱烈なファンの方は御許しください。🙇

盲目的に今作品の視聴を始めた。
原作も漫画も読んでいないし、橋本環奈、眞栄田郷敦、山本舞香、神尾楓珠が売りの作品やてこと以外は。
良く書くならスリーパー・ヒット(時間がたってからヒットした作品)、悪く言えば典型的なB+(プラス)級ホラー映画かな。
残念なことに今作品は、脚本に問題があるのは否めない。
ミスによる時間ループちゅう弱い前提でまとめられた、あまり内容のない死の繰り返しのように感じた。
物語が興味深い出来事のハイライ映像にさえなってなかったかな。
そのための構成や中身がない。
見せかけのプロットの断片でつなぎ合わせた出来事を箇条書きにした様な代物やった。
オープニングは雰囲気を出すにはかなり良かったんやけど、後でほとんど言及されないし、結局無意味で時間の無駄やった。
全体のストーリーはまとまりがなく、プロットも稚拙で、結局、すべての面で最後まで行くと正味ゼロという結果になっちまってる。
このような前提で、脚色でステータスを加えるような修正もあらへんしキャラ主導の物語になることを強く期待してた。
しかし、そうならへんかった。
なぜなら、これらの主要キャラを『キャラクター』って呼ぶのは、ちょっと過ぎる。
映画の中の彼らは実際のキャラの代用品であり、外見を除けば、ほとんど何も語ることができない。

明日香はモテない女子(演じるのは橋本環奈がモテない?)。

高広はスポーツ万能の人気モン(演じるのは眞栄田郷敦)。

翔太は頭のエエいじめられっ子のオタク(男前は隠せてない醍醐虎汰朗が演じる)。

篤史は元人気スポーツマン(オリジナルキャラクター演じるは神尾楓珠)。

理恵は優しい人気者(横田真悠が演してる)。

留美子は年上の男と付き合ってる女子高生(山本舞香が演じる)。

大体、主要俳優陣が高校生を演じるには少々無理ある年やし(皆さん20歳を越えてる)、役柄設定に無理がある美形揃い。
このキャストを起用すれば、確かな演技ができることは分かっているし、推しの観客動員を望める。
だから、しょうがないちゃしょうがない。
その辺はスルーしても(美形を眺めるだけでいいし)
正直なとこ、今回は演技よりもストーリーとキャスティングの悪さと記憶に残らない脚本、良くない出来の原因なんちゃうかな。
キャストの大半は、巧い下手を抜きにして、今あるもので出来ることを真剣にやってたし、ないものを出せとは云えない。
橋本環奈と眞栄田郷敦の化学反応は期待した割には相性は合ってなかったと個人的には思う。
また、赤い人は、考えさえすれば、ホンマ面白いコンセプトになったはず。
実際、確立された伝承があり、なぜ赤い人がそうであるのかという動機を構築できたはず。
他の作品と同様、製作陣は何も考えられていなかったんちゃうかと疑いを持たざる得なので、赤い人は単なる超自然的な悪者で、一度見つかると死んでしまうだけになっちゃってる。
ただ、赤い人の扱いがひどい分、映画内での赤い人キャラの実際の実行はよかった。
必要に応じて、実際に撮影された要素を使った特殊効果ボディダブル/プラクティカルエフェクトとCGIを使うちゅう堅実な使い方をしていた。
赤い人の最終形態が、俳優が交流できるスーツを着た実際の人間であるように見えたのはよかったかな。
このデザインは、スクリーン上でもっと読みやすく、もっと意味をなしていればよかったんやけど、それは今作品に求めすぎかな。
同様に、最初の数回の殺しは、CGI、実用的なエフェクト、そしてスタントダブル(ボディダブルとスタントマンを掛け合わせたものであり、具体的には、映画やビデオの中で、ビルから飛び降りたり、車から車に乗り移ったりするような危険なシーンや、その他の高度なスタントシーンに使用される熟練した代役)もうまく使っていて、とても説得力がありました。
ただ、それは各キャラにつき最初の1回だけで、それ以降はごく普通のものやったが。
あと、学校とその周辺で撮影された割には、昼と夜の雰囲気の違いがしっかり出てた。
学校内のロケーションをクリエイティブに使っていて、ゲームシーンの繰り返しに煩わされることなく、視覚的に面白くすることができました。
サウンドデザインは一貫しており、理にかなったものやったし、Adoの曲は少なくとも今作品の雰囲気に合っていました。
まぁ、サブスク鑑賞で美男子美女子の俳優さんを愛でれ、Adoの曲を聴けたんやし贔屓目で書くなら可もなく不可もなく作品より少し落ちるでした。
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