悪魔の毒々クチビル

カラダ探しの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

カラダ探し(2022年製作の映画)
3.0
「この雑巾野郎!!」

毎晩夜の高校でクリアするまで殺されて同じ日をループするゲーをやらされる6人の高校生のお話。


原作は存在しか知らないので逆に細かい所は気にならないかなと思って観てみました。
と思っていたんだけど、橋本環奈がクラスメイトから避けられているぼっち役の時点でめちゃくちゃ違和感が。
橋本環奈が持ち物落として困っているのに、周りの男子女子ガン無視…だと?
橋本環奈が一人寂しく学校の外でご飯食べている…だと?
それどころか他の男子に「いやあいつはないわー」みたいに言われていてね、完全にお前らが一番好きそうな顔やん!
これは主人公だけど実は相当サイコな一面があるのかと思いきや、理由が中盤辺りで明かされるのですが、は?そんなことで?と何気に劇中一番の衝撃でした。陰キャフィルターの恐ろしさよ。
これはある意味ミスキャストな気がしました。

あ、カラダ探しっていうのは「赤い人」と呼ばれる女の子の幽霊から逃れながら校内に隠された身体の破片を探すゲーム的なもので、見つけられずに全滅したらまたその日をループする事になるみたいな内容です。
最近流行りになっている気もするループ系ホラーですね。

序盤というか、一夜目は割と良かったです。
PG-12らしいヌルっとした残酷描写もありましたし、橋本環奈が壮絶な死に顔でくたばる所とか正直ちょっとびっくりしました。
この人物凄い数の実写化映画に出演しているイメージだけど、普通にスラッシャー映画とかにも向いていそう。勿論死にキャラで。
が、その後はほぼ死亡シーンはダイジェストかつ画面外が殆どになっていて期待外れもいいところでした。
パッと見少女なのにアグレッシブに殺ってくるギャップも面白かったのに残念でしたね。
というか肝心の身体のパーツ探す所すら大体ダイジェストでお送りしていまして、そこはちゃんとやろうぜとか思いましたが、途中から妙に青春描写にも力を入れ出して「あ、そう言うのが撮りたかったのね」と納得っちゃ納得。

この手のループ系お馴染みの殺されながらも、普段関わらないグループの人同士が仲良くなって青春を謳歌する展開自体は理解出来るし微笑ましいんだけど、キャラは俺が全然知らない俳優陣なのも相まってそこまで印象的では無かったです。
とか言いながらもしバリバリ青春を楽しんでいるシーンで山下達郎とかもっと言うと久石譲チックな、ノスタルジー増し増しな曲が流れたらそれだけで心に刺さっちゃいそうだな~とかふと思っちゃいましたが。

後半は赤い人っていうかホラー版クッキーモンスターみたいになって襲って来るんだけど、そんなにスプラッター寄りで出来ないもどかしさが色々と邪魔をしてしまいました。
あと終盤の橋本環奈の長ったらしいスピーチは絶対今じゃないだろと思うよね、そりゃ。その気持ちがあるなら尚のこと行動に移そうぜ、と。ここのやっすいティーンホラー演出はアカンでっせ。

あとオープニングシーンでカラダ探しがソフィアで行われていた事が仄めかされるんだけど、ブルガリア発祥なの?
別に冒頭で殺されたあの女の子の怨念的なものが生んだって訳じゃなくて、それ以前から世界各国で同様の事件が起きてたってこと?
劇中の世界だとカラダ探しの文献とかあったけど、都市伝説みたいなものなのかね。
そこら辺、殺害された女の子の詳細含めて殆ど明かされない事柄ばかりなのもなぁ。

不満ばっかになりましたが、ホラーに興味無い、または苦手だけどキャストの誰かしらのファンって人が観に行って衝撃受けるくらいの造りにはなっているとは思います。
あと個人的に女優としての橋本環奈に全く興味無かったんだけど、キュンキュンな青春シーンとかで見せる表情はやっぱめっちゃ綺麗だなぁと改めて感心したのでまぁいっかと言うことで。

因みにネトフリで観ましたが、特にこれといった理由もなく英語吹替えで観てみたのでキャストの演技力とかはよく分かりませんでしたので悪しからず。