horahuki

Naked Girl Murdered in the Park(英題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

3.8
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イケメンくんが親子3人同時攻略を狙うキモさ抜群のスペイン・イタリア合作のジャーロ。継母と娘同時攻略パターンはあったけど、実母&娘2人とか最狂すぎる😱そして更にキモさが限界突破する驚愕のクライマックスにはもうキモいを通り越して笑えてくる超楽しい作品!酷評されてるけど結構好き!

どクソ野郎なイケメンくんの行動にも一応理由があって…。遊園地のアトラクション内で死んだ富豪のオッサンが、まるで死を予想してたかのように死ぬ直前に多額の生命保険契約。「受取人である相続人たちが怪しい」と踏んだ保険会社が有能調査員のイケメンくんを派遣。残された奥様と娘2人にハニートラップを仕掛けて、真実をゲロらせようとしているわけ。

父親の死のことで脅迫電話がかかってくるせいでメンタル壊れかけの末娘を捕まえて実家に招待させる→3人同時攻略の流れ。ちなみにタイトル「公園で殺された裸の少女」は一応それっぽいの出てくる(場所が公園というより玄関前)のだけど、単なる被害者の1人なので、どうしてタイトルになってるかは謎だった😂むしろ「遊園地で殺された服着たオッサン」のがしっくり来る。見ようとは思わないけど🤣

ジャーロ全盛期の72年製作ながらも他作に圧倒され、無名のまま埋もれてしまった割とマイナーな作品。ジャーロといえば…な要素をしっかりと盛り込んだ手堅い作りながらも、同じくイタリア・スペイン合作『The Fourth Victim』と同様にレンツィからの影響が非常に強く、60年代的なジャーロのように感じた。

それもそのはずでレンツィも元ネタとして使っている『悪魔のような女』を本作もガッツリと採り入れ、最初に死んだオッサンは本当に死んだのか…?な展開を、今まで見て見ぬふりをしてきた過去と罪悪感が作り出す闇として心的深層部分を具現化させる意図を担わせている。真っ暗な闇と同化してゆっくりとオッサンが近づいてくるクライマックスは象徴的で面白い。

ナチスドイツを“闇”の根底に敷いたジャーロは珍しくて、恐らくビド『美人ダンサー襲撃』に影響を与えているように感じる。本作は突出した強みがあるわけではないながらも、復讐を超えたところにある異常性愛がエディプスコンプレックスの対象と目的をすげ替え、亡くしたものの代替物を吟味していただけなのではないか…だからこそ結婚した後に実行したのではないか…というところまで手を広げているように見えてくるのが非常にジャーロ的で良かった。

保険会社での三角形を更に手中におさめていると言わんかのような腕の三角形越しのショット、金持ちの裏側へと接近する社交パーティへの扉のPOV による主観によって彼の心が見ている先との対比を浮かび上がらせるロングショット、そして2人に分け入るように画面内に侵入するメガネと赤い花等、何気に映像がカッコイイ!ヒロインとの会話シーンのパンで主観化させたりとか距離感と暗示する中心に柵を挟んだ引きのショットとか、音がイカレてる以外は割と好みな感じだった!
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