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渚を駈ける女のdoiのレビュー・感想・評価

渚を駈ける女(1964年製作の映画)
4.5
嵐のような原石、路加奈子さんが体験する激しい6ヶ月。知らず知らず触発される人々、おぼこさに潜む甘い罠。そもそも端折られすぎてて話の勢いがすごい。いきなり明日シュッパンなんですってねというので吉田輝雄は作家なのかーと思いきや船乗り。三枝子のあけすけな告白に緊張走って汽笛がボウ、路さん何の一回戦で敗退?帰宅してシャワー浴びるふたり寄り添うシルエットまでの速さ。出帆前に結論出すって言われただけなのに完全にプロポーズされた気でご馳走用意してる三枝子。真っ赤なカーテンの窓叩いて激しく求める吉田輝雄は怖いような無言が一転、言い訳になってない言い訳と抑えきれない気持ち。ベッドでひとり悶絶して転げ回る路さんの目の覚めるような演技。この一連のシーンは悪夢みたいな圧倒される素晴らしさ。今年の冬は少し底冷えがするぐらい、一晩で妊娠を部屋に持ち帰ったレモンで見破り。娘だけに年賀状が来てもあれは謎かけで私への手紙なのよね?すべて自分に都合よく解釈する三枝子とその手紙ビリビリ破いて波間に捨てる吉田輝雄。母である前に女なんだから…とか自殺する運命だったんだから…とかなんでも分かったような悟ったような口を聞いて何もわかってない安定の佐野周二は厚田カメラ目線で欲望と葛藤。聞かれてないのにベラベラ夫婦生活話す浅茅しのぶさんも八重歯で歯が汚れててすごかった。いろいろ省略しすぎのせいで手際よく獲物を追い詰めるモンスター画家川津さんの名前は正人(まさんど)。俺の絵は時代より50年進んでる。たしかに部屋に飾ってる絵どれも可愛い。
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