ほーく

U-571のほーくのレビュー・感想・評価

U-571(2000年製作の映画)
3.4
【他力本願】
以前も触れただろうか
個人的に、マキトモさんの芸風好きなんだよね

蔵出しレビュー
時は、2001年2月8日

評者 ほーく
評価 3
ひとこと ま、戦争モノだとこうだよね。


評者 マキトモ
評価 破綻は無いので4

ひとこと 戦争映画のお手本。取りたてて腹が立つ点も無いが、今更「こういう映画を待っていた」と言うほどのものでもないだろう。


<コメント>
あぁ、手堅い!
有意義かつ困難な任務/手強く不気味な敵/ピンチは仲間との絆で乗り越え/犠牲を出しても挫けない強い意思/そして最後に奇跡の勝利。アメリカ映画で戦争をポジティブに描く際の黄金律をキッチリと守った、優れて手堅い作品である。エンドマークの際、海をバックに高らかに鳴り響くBGMが、この映画の本性を雄弁に物語っている。「状況の困難さと緊迫感」ではなく、「最後にはそれを克服するアメリカの魂」が本作のテーマだから、あらかじめ誤解のないように。本作の後味は「怖い」ではなく「カッコイイ」のだ、と言えば分かるだろう。
潜水艦は、密室の緊迫感を出すには実に便利な設定で、本作も、充分その利点を生かしており、爆雷攻撃を耐えるシーンなどは、じっくりとハラハラさせる、割と良い出来映えだ。プロットの立て方も見事なもので、無線で味方に救助を求めれば作戦が無意味になり、黙っていれば敵が救助にやってくる、という凝った話の筋は、リアリティの欠如を補って余りある、としておこう。どんでん返しの入るタイミングも手馴れたものだ。この辺も手堅いのである。
無粋なことを言うかもしれないが、
●シルエットが似てるからといって、20年前の旧式潜水艦を重要任務に単独で投入/普通はやらないだろう。爆雷に耐えるシナリオは、仮に就役年式が対等であっても実際は無理だ。
●Uボートをアメリカ人が通訳越しに操作し、敵艦を撃沈するのは、やっぱりおかしい。
●ドイツ艦が最後にえらく派手に大爆発するのは、救助作業を描かずに済ませる言い訳ではないか?
●この種の作戦には、必ず綿密な後方支援を付ける根深い伝統がアメリカ軍にはあるetc
とかいう、考証面からの各種突っ込みは、この手の歴史風味の娯楽作には、避けられないものだ。本作=史実だと勘違いしない限り、本作は、それほど有害なものではないが、爽快さ最優先でリアリティに欠ける面があることは、一応触れておく。でも映画って、そういうもんだよね。ついでに言っておくと、元ネタとなった暗号奪取作戦は、史実ではイギリス軍によるものであり、ブレア英首相もカンカンだったらしい。カンカンになった後、どうなったかは知らない。
(マキトモ)
ほーく

ほーく