真っ黒こげ太郎

U-571の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

U-571(2000年製作の映画)
3.5
第二次世界大戦下のヨーロッパ戦線。
アメリカ軍はナチスドイツが誇る高性能潜水艦”Uボート”に苦戦を強いられていた。
そんな中、S-33潜水艦をナチス側のUボートに見せかけ、故障して停泊中のUボート”U-571”に乗り込み、戦線を牛耳っている最新暗号機”エニグマ”を奪還する極秘作戦に出たアメリカ軍。

作戦を進め暗号機をゲットし、爆薬を仕掛けボートに戻ろうとした乗組員達。
だが突如としてS-33潜水艦が何者かの襲撃を受け撃沈!!!!
すぐさまU-571に乗り込み慣れないながらも潜行するが、乗組員は数名を除き全滅…。
何とかして敵力の脱出を図る乗組員だが、敵機にも味方にも狙われ…。



敵の潜水艦を奪ったアメリカ兵士達が窮地に陥り、脱出するためにナチスドイツ軍に戦いを挑む戦争映画。
監督が快作の「ブレーキ・ダウン」、「ターミネータ―3」のジョナサン・モストウさんと聞き、急遽鑑賞。


今作は敵地からの脱出を描いた潜水艦映画。
自分は「ランボー」や「コマンドー」的なコマンドアクション映画はよく観ているが、こういうガッチガチなタイプの戦争映画は余り観なかったりする。
とは言え、本作は密室内でのドラマの緊張感が高く、最後まで集中して見れた。

前半は個人的にはそこまで面白くはなかった、だがアメリカ軍が敵軍のUボートに乗らざるを得ない状態になると共に、緊迫のアクションや息苦しい密室劇の面白さが出てくる。

内容自体は「敵戦から秘密兵器を持って帰る」的な不勉強者(俺w)でも分かりやすい内容で、話に入り込みやすく、エンタメ重視な内容だったのが嬉しい。
特に潜水艦に乗り込んだ際、言語が分からずあたふたするシーンは何だか好きだ。w

主人公の大尉も戦いの中で徐々に指揮官として目覚め、非情の命令を下す事になる。
序盤でブレていた決断力が、終盤に向けて固まっていくのも良い。

ドンパチはそこまで大規模ではないが、爆破アクションに潜水艦バトルとアクション描写もかなりしっかりしている。
効果音もしっかりしていて、静かな空間で鳴り響く重厚音は凄い。
劇場で体験したかったもんだ…。


余り潜水艦側の描写が少な目だったり、誰が誰だか分かりづらかったり(爆)、終盤の展開に粗が見られたのは難点だが、戦争映画として良く出来た佳作。

偶にはこういう緊張感のある戦争映画モノもいいな。