柿トマト

ある男の柿トマトのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.0
試写会にて。

とにかく役者の演技はみな素晴らしい。妻夫木聡の抑えながらも、うちに怒りがみえる複雑な人物像。安藤サクラの自身の夫が何者なのかも分からず当惑している当の本人なのに、息子に弱気な部分を見せまいとする姿。そして窪田正孝演じる何かから逃げようとしていた「ある男」。他にも柄本明の得体の知れなさ、などなど。

またヒューマンドラマのように暖かなシーンもあれば、目を背けたくなる怖いシーンなど緩急の付け方も抜群。演技の素晴らしさだけでなく演出も凝っていて上映中は飽きることなかった。

ただ、惜しいのは妻夫木聡のキャラがなぜ「ある男」に惹かれていたのかが、分かりにくいところ。

原作は未読なので分からないが、読めばスッキリするのだろうか?
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