雨丘もびり

ある男の雨丘もびりのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
2.5
本当の事が半分わからないままの映画。
のどに引っ掛かった大福をお米の研ぎ汁で飲み込むようなキモチ悪さで見入ってしまう(褒)。
そして鑑賞後に、世界の見え方がヤな方に変わる(褒)。
邦画って凄い。☆の数、半分で本作を称えます(褒)。
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のっけからマグリット『不許複製(複製禁止)』が出て来て忍び笑い。
はい了解、そういう物語ね。
たしかこの絵も、別の絵とタイトルを付け替えた作品。
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そっからずっと、何気ないセリフも、映像も、ぜーんぶ含みがあってツラい(褒)。
一見、なんの変哲もない日常風景なのに、映画のテーマを絵的に表現した抽象画みたいな...半分クリアで半分ボケてる映像がチョイチョイ挟まって、どこか違和感のある画面になってる。
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キャストも、もう、交ぜるな禁止っていう名優ばかりが、極上の灰色灰汁演技で画面をぐっしょり湿らせてる(褒)。
安藤サクラの演技幅は底がないね。説明台詞じゃなくてホントに身の上話を聞いてる気分になってしっとり落ち込むわ。
妻夫木聡にはさぁ、完全防音の楽屋を用意してあげて、待機時間中ずっと叫んでてもらったら?(褒)ストレスが心配!誰か彼を弁護してあげて~!!
「気が紛れるんだよ」っていうホンネがツラすぎる。
真木よう子の起用は悪意(褒)。何言われても責められてる気がする人。監督よくぞ見抜いた!
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Storyは戸籍改竄に寄せ過ぎず、説明しすぎず、ちょっとハッキリしない(それいくらなんでもオカシくない?)と感じる点も多かったんだけど、それもこの映画の持ち味っちゃあ持ち味、な気がする。
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そうねぇ....これ、人に薦めます?(^^;)どします?
「観に行こうか気になってたんだけど、どうだった?」って聞かれたら.....
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私なら、「断じて、つまらなくない!」ってゆう最大限の絶賛コメントを送ります。
私の悶々が通じる人には、オススメ(褒)。
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一番最初の台詞を聴き直すために、もう一回観たい!なんつッてたっけ(悶)。