パケ猫パケたん

ある男のパケ猫パケたんのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.6


『愚行録』(2017)と、比較的早期から、オイラが注目していた、石川慶監督作品

最近4本は、骨太な小説を映画化している。全て映画館📽️で観ていて、オイラの採点は、

『愚行録』(2017) 4.1
『蜜蜂と遠雷』(2019) 4.6
『Ark アーク』(2021) 3.0
『ある男』(2022) 4.6

と、なかなか高評価🎵
『Ark アーク』からの復調が嬉しい


良い役者が揃うと、石川慶監督は、その演出力を遺憾なく発揮してくれるよ

オイラ🐱、この映画📽️、二回鑑賞したが、二回目の方が味わい深かった、スルメみたいな渋い映画

少なくとも、ある男三人の消失する様が描かれており、それぞれの消える様子と温度が違っていて妙味がある。

映画的形式は、一見、写実的ではあるが、飛躍的な表現がシュールレアレズム的となり、映画的な美味に溢れている。

例えば、レクター博士みたいに知能犯な、大阪刑務所の蜘蛛の巣に、要の如く鎮座する、榎本明、
或いは、少年の視線から見た殺害現場、
多様な、殺人犯たちの描いた独創的な絵画たち、
そして、ラストシーンの無限ループな抽象画など。

配役にしても素晴らしく、まず、妻夫木聡と、窪田正孝と、もう一人の窪田正孝、この男前たちの顔の競演が、艶やかな化学反応を起こしている。

安藤サクラも今までで、一番魅力的だと思い、また、涙する演技も上手い。

更には、後半、端役で、清野奈々(アクションもできる女優たん🎵)、真木よう子と美しき美魔女たちを投入する、差し色としての、豪華さ。

人間の存在とは何か、血筋とは何か、差別とは何か、といったテーマが浮かび上がってくるが、簡単には結論は出ない。

ただし、安藤サクラのセリフ、「男の人と出会って、恋をして、結婚をして、子供が産まれた事は事実。」って告白は胸を打つ。即ち、人間は、時と場合によって、さまざまな役割を演じているが、愛する人には、真実の面を見せるし、それが相手にとっては、正に信じるべき確かな、事実であること。➡️ 本来は、
人生って、やり直しが利くはずである。

原作小説を卓越した手腕により、映画化するアーチスト、石川慶は、伝統ある日本映画のチャンピオンの一人に成ろうとしており、オリジナル脚本も書かない、石川慶監督の、その、ある男の正体が知りたいわ。

祝いたい🎉のと同時に、研鑽しぉ🐱🎵


今年の日本映画の代表作であります。



2022年映画館鑑賞 119、121本目
2022年鑑賞    171、173本目


【皆さんのレビュー、今から読みます🎵】