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ある男のmsyのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

窪田正孝と安藤サクラのエピソードが珠玉、
4年に満たない家族の時間と、
長男が言った「さみしい」に涙搾り取られた…

けれどあと2人の「ある男」
人権派弁護士と老舗旅館の次男、
さすがに3人分は掘り下げられないとあって
感情を持っていかれるには
時間が足りずもどかしかった。
妻夫木くんで最後締めていたけど
そこまで多面的な描写もなかったので
ドヤ感が出てしまっていた。
真木よう子とその実家などはセリフも直接的。
柄本明が「イケメン弁護士」と揶揄する場面は
初対面という必然性があって
説明セリフが溶け込んでいたので
そこだけで良かったなとは思った。
嫁もスマホの管理甘すぎ、
それくらい夫を舐めてるということなのかな。
仲野太賀の元カノも
どこまでも健気できれいすぎて。
そのへんがちょっと惜しいと思った。

窪田正孝、だいすけの繊細さはもちろん
その上ボクサーの役作りに
父親との演じ分けと、仕事エグすぎんか…
安藤サクラの泣き顔も本当尊いね…

オープニングもめちゃくちゃセンス良かった、
タイトルのフォントがぬるぬるっと変わっていくのとか
マグリットの絵「複製禁止」とあいまって
芸術点高すぎ。
だいすけとりえの初デートのご飯やさんとかは
絶妙な田舎あるあるというか、
このお店に2人で入るところ見られたら
一瞬で噂広まるだろうに…
といらない心配をしてしまう。
妻夫木くんが来た時も同じお店で話してたよね。

ネガティブなラベリングの最たるものである死刑囚、
その絵画展というものがあることを初めて知った。
こんな取り組みがあったことに驚いた。
これは…冤罪があったとすれば
それを炙り出すこともできるのでは
ないだろうか…
それほどに絵は人となりを表す。
だいすけの絵は本当に真面目で優しかった…
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