ひろさん

ある男のひろさんのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.5
年間8万人もいる行方不明者の中には、戸籍を替えて別人として生きている人がいるかもしれないが、その存在が分かるのは昔の姿を知っている人だけである。目の前にいる人物のみが真実の姿で、過去はその人のみが知る。
戸籍を取り替えるブローカーであった小見浦憲男(柄本明)が弁護士の城戸章良(妻夫木聡)に「自分が小見浦であると思っているのか」と不敵に笑う場面は恐ろしい。
バーで「中学生と4歳の娘がいる谷口大祐です」と名乗る場面で終わるが、谷口大祐として暮らしているのかは分からない。
人生をリセットしたい人も多いであろうし、良く練られた作品だった。
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