このレビューはネタバレを含みます
現作を読まずに臨んだが
「過不足なくピッタリに収まっている」というのが観終わった直後の気持ちだった。
何を言っているのか分からないという物足りなさもなく
長いなと時計を気にすることもなく…
俳優陣の豪華さに目が行くが、
各人の持ち技が拮抗していて
綻びが見つからない感じ
特に柄本さん
そしてカトウシンスケさん
さらに最後の妻夫木くんの底知れなさよ…怖ぃ。、
人間誰もが幾つかの顔を持っていて、個人で完結できるものもあれば、親兄弟からの影響を受けるものもあり、しがらみが呪縛のように絡みついて…
それに呑みこまれずに正気を保って生き続けるのは容易ではないのかもしれない。
印象に残るのは、
長男・悠人役の坂元愛登くんが
「1年経って、もう悲しくはない。けれど、淋しいんだ」と言って涙するシーン。
思いだして淋しいと泣いてくれる人たちがいる点で、Xさんが名前を変え人生を変えた日々には意味があったのだと思えて救われる気持ちがした。