鎌谷ミキ

ある男の鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.2
【私は一体誰の人生と一緒に生きてたんでしょうね】

[あらすじ]ネット版
第70回読売文学賞を受賞した、平野啓一郎の同名小説を映画化したヒューマンミステリー。昔の依頼者から亡くなった夫の身元調査を相談された弁護士(妻夫木聡)が、その正体を追い、真相を突き止めようとする姿を描く。

[レビュー]
GWでU-NEXTポイント消費!一作目は、こちら。邦画好きだけど、日本アカデミー興味ないから受賞作品とは知らなかった。予告編で興味あったので📎してました。

石川慶監督は『アーク』しか観てないんですよ💦かなり引き込まれました。妻夫木聡✕安藤サクラ✕窪田正孝の演技がとにかくいい!特に窪田くんはいろんな時期を変化させて演じてるんだけど、時に哀愁さを時にストイックな肉体改造など演じ分けがお見事!ホント、いい役者さんになりました。

みんな書いてるけど、まさかのサクラさんのお義父さん柄本明さんも出演!ネイティブじゃないけど、関西弁の凄みを生かした役柄が見事!小籔千豊さんの配役は何がやりたかったんだ…清野菜名さん、仲野太賀さん、真木よう子さん(こちらは妻夫木くんの妻)の配役もバッチリです。フォロワーさんも私も「それでこの配役!?」となりましたもの。

ミステリーというより人間ドラマとして話が進んでいく様は見事だと。回想シーンとか本気度感じちゃいました(多分原作もそうなんだろうけど、そこまでやらなくても…)

ミステリー要素あるのであまり書けないけれど、自分の人生に不満のない人なんていないと思う。予告編でもわかる通り、サクラさんの夫の窪田くんは本当は誰だったのか?ということなんだけど。過去を知ったからといって、その人がわかるわけでもない。"真実"に辿り着いた時に待っていたものは…ということなんだけど。ホントね、人の携帯は見たっていいことないもんね。ねぇ?
あと、子どもにあたるのはやめましょう…疲れてる時にやってしまう親あるあるなんだけど💦

ラスト、皮肉効いていて好きかも。ここまでの前置きから"それ"は予想できるんだけど、アナタがやるんかい!ってやられたし。なかなかに不思議な余韻の残る作品ですよ。流石の日本アカデミー(いつもは相性悪いけど)オススメです!
鎌谷ミキ

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