OASIS

ある男のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

人は誰しも自分だけの人生を生きているし、大半の人がそうだ。
いや、そういう生き方しかできないと思っているだけかもしれない。
別の誰かとして生きることが出来るなら、なんの制約もないとしたら、僕ならもしかしたらその誘いに乗ってしまうかもしれないな。
家族を喪うリスクにも勝る魅力があるのは分からないが。

この映画の主役は妻夫木聡だったのかな。
彼に自分の人生を捨てさせるほどの魅力的なものなんだよ、戸籍交換というものはと諭しているような。
彼自身帰化した在日三世であったし、元々誰かの仮面をかぶることに関しては抵抗はなかった訳だ。

安藤サクラは私の人生は誰と生きたんだろうかと言っていたが、間違いなく窪田正孝と共に生きた人生はそこにあった訳だし、それは否定できないだろうと思う。
それが誰かに引き継がれたとしても、忘れることはできないし自分を否定したくてもできないんじゃないかな。
今の私を形作ってくれてありがとう、これまでありがとうという新しい人間性の獲得に感謝すら抱いてしまうようなこの映画に僕は肯定的でありたいと思った。
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