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ある男のharunomaのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
1.3
とあるをとこ。前半30分、安藤サクラが髪型も含め女として撮られ、窪田は相変わらず挙動不審にあり、ヨーロピアンヴィスタの中、普通にいい。安藤サクラだけ素晴らしい。前半30分に1.3。

がサスペンスが始まり、ダウナーに狼狽える弁護士妻夫木(「怒り」と「浅田家」だけ映画ではよかった)が登場すると途端にフジテレビ感が顔を出し、三度目の殺人で同じ役柄であった福山と比べてもあまりにも退屈になる。是枝風ドラマサスペンス。顔という不気味なもの、闇のパートを頼られすぎの柄本明、ボクシングなど、次々と明らかになる窪田の歴史は、果たして物語と呼べるのか。説明過剰な回想のイメージ。現代日本映画のいいとこ取りのようでいて、そのためにチグハグな事態になっている。創出された方法の寄せ集め。懐かしの真木よう子も厳しい。1.66含め歴史なきシネマトピック。

マチネの終わりに、は素晴らしかったが、フックだけ散りばめる平野啓一郎(自身の日蝕を隠蔽し、適当に三島由紀夫を文化として受容する手捌きは、反動と言えるだろう、彼は文学ビジネスの徒となりしか)原作の映画はもう観ないだろう。
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