じゅげむ

ある男のじゅげむのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.8
生き直すとはなんだろうか

たまたま自分の状況と重なって好きだった

在日コリアンの友人は結構居るが
皆自分のルーツに誇りを持ってて
ここまで重く捉えてなかった印象がある

日韓の亀裂はあってないようなものだ
と私は楽観視しているが
この問題に関しては
まわりの育ちや運が良かっただけなのかね

親の罪に対しての償いで
そんなにしんどいならば
整形してしまえば?とつっこんだり…

私は両親共に尊敬出来ないが
それは自己否定に繋がるよね 悲しいなあ

たまたま重なった自分の状況というのが
私の元旦那さんや母についてで
彼等は身内が死んだとか
どことの混血だとか
大胆な嘘を平気で吐ける人達で
それに振り回されて頭を抱えて居たのだが
彼達の生い立ちを辿ると
そういう嘘を付いてしまう理由が
よくわかるし 親や環境が悪かった
とおもう 彼達に寄り添うならば
そういう嘘を吐かせた何かが悪い
とかばってあげたいような気もするし
幼稚だとも思う 本当に人格を疑う

そして私はその嘘を暴いてしまう
それでいてそれなりに
受け止めて要ることのしんどさを
当人達にはどうか知っていて欲しい
その嘘に対する責任を取る日は
いつかきっと来るだろうし
私はとてもとても辛いです

妻夫木さんの憂いを帯びた目が好きだ
安藤さくらさん美人やなあ
出演者達みなとても良かった 豪華だ

ラストのほうで泣き夫の過去に対して
暴かなくても良かった
愛し合った時間は事実だ
と安藤さくら演じる谷口理枝が語って居たが

弁護士さんがめちゃくちゃ苦労して
辿り着いた真実の調査報告書に対して
そらないぜ!笑 と思ったり。
なるほど。そういう考えもあるのか。と思ったり。

嘘を見抜けない人たちを
自分はなんとなく見下しがち
気を遣ってしまうので苦手だ
悪意のある嘘なら守ってやらねばとなるし
優しい嘘だとすれば 私もその嘘に黙って
結果的に加担しなければならない

しかし粋な嘘は大好物すね

嘘だと知ってて受け止めたい
偽るならば覚悟を持って
死んでも騙し続けて欲しい… 重いなあ
じゅげむ

じゅげむ