Charlie

ある男のCharlieのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

弁護士の男、殺人者の息子、温泉旅館の次男。彼らの事情と、戸籍と名前。まさか、日系三世の問題まで絡んでいるとは思わなかったので、本作を見始めて、どこに着地するんだろうと思いましたが、まさか。

文具屋に画材を買いに来る男(谷口大祐)と文具屋で働く女(里枝)はやがて結婚する。里枝には連れ子の男子がおり、結婚後には娘も誕生する。
幸せだった夫婦生活は、大祐が倒れてきた木の下敷きになって命を落としたことで壊れてしまう。
死後に判明したのは、夫が谷口大祐ではないということ。里枝は前の離婚で世話になった弁護士(城戸)に連絡を取り、夫が本当は誰なのかを探し始める。
一方、城戸は自分が日系3世であるという生きづらさを抱えていた。そんな彼が大祐を名乗る男の正体を知り、本物の谷口大祐を知る作業をする中で下した決断とは…。

なかなか面白い映画でした。
「そうでもしなければ生きられない人たちがいる。」
胸に刺さる言葉でした。
そして、里枝の連れ子悠人役の坂元愛登君は抑えた演技の中にその年頃の男の子らしい悲しみが滲む上手な演技をしていて、母親役のサクラさんに「お父さんがいなくて寂しい」と語り出したあたりの会話は、少し泣けてしまいました。
いろいろと、深い作品でした。
Charlie

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