KeitaKasamaki

ある男のKeitaKasamakiのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.7
原作を買ったんだけど未読だったため鑑賞。
谷口(窪田正孝)の演技がよかった。
里枝(安藤サクラ)と初めて文具店で会った時のオドオドしていて少し不気味な印象から、付き合ってからの柔らかな印象への移行がうまかった。

ただ、途中車の中で窓に映る自分の顔を見て発作が起こるシーンは、それまで背景を何も知らない鑑賞者にとっては意味不明だった。
自然に慰めている里枝にも違和感。
おそらく原作では丁寧に描かれている描写を、かなりカットしているのではないか。

一応プチどんでん返しのようなものはあるが、基本的に物語は平坦なまま進んでいく。
真相が明かされるにつれて、どんより心が暗くなった。色々と考えさせられる。
命を絶つくらいなら、たとえ違法でも(他人に害が及ばない方法であれば)他にとれる手段を試してみるのもいいのではないかと感じた。
自分は何も悪いことをしていないのに、そうしなければどうしても生きられないくらい辛い環境に生まれつく人もいるのだから。
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