アイデンティティーや生き方について勇気をもらえるような映画だと思う。
自分を自分たらしめるものは何か。
親の罪、先祖の人種などではなく、自分が経験したことでしかないのではないか。
自分と接する他の人についても同じ。息子が安藤サクラに向かって「妹には僕がどんな父親だったか教えるよ」と言ったように、その人が何者であるかは、自分が経験した範囲のことが全てだと思う。
たとえ法律の外であっても、他の人に替わって生きたいと思うことは責められない。どれだけ辛いかは他人が評価するものではなく、その人にとってどうかだ。
そのバランスが悲壮感を薄めて観やすくしてる部分もあると思いつつ、妻夫木聡ほどスマートな人権派弁護士は見たことない。