unko

ある男のunkoのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.8
在日3世で弁護士をしている城戸(妻夫木聡)は過去離婚案件を担当した里枝(安藤サクラ)から亡くなった夫、大祐(窪田正孝)の調査を依頼される。
1周忌に大祐の兄がお参りに来た際に、遺影に写っているのは別人だと言う。果たして大祐とは何者なのか。

物語の初回にも言及されているが、戸籍の入れ替えは過去の犯罪歴を消すようなことだと想定される。
大祐の過去を掘り進めていく中で、城戸自身の人生も重ね合わせていく。
彼は韓国にルーツを持ちながら日本で生活している、しかも国籍も日本に替えているにもかかわらず、周りの人(義父に代表される)たちの反応で自分の存在が揺らいでいく。
この物語では戸籍にフォーカスされているが、城戸の家庭のように普遍的にあるテーマだとも捉えられるので、観客個々人が考えられる。
家庭、職場、学校、どの集団生活やどの世代が観ても新しい自分になりたい、やり直したいと切に願う人は多いと思う。
妻夫木演じる城戸の最後は幸せだったのだろうか。幸せだといいな。
unko

unko