このレビューはネタバレを含みます
寸止め感が凄い。
必要がないから描かないのだろうけど、かゆいところに手が届かない。
死んだ夫が知らない人間だったって話だけど、戸籍を交換した相手の動機位はもう少し知りたかった。
本作の入口はミステリーだけど、問いたいのは生まれが原因で受ける、自分ではどうすることもできない迫害、それに起因する心の傷。
物語よりもテーマの方が大きいので、本物の谷口大祐が過去を捨ててまで別人になりたかった理由は語られない。
この映画は問だから、なんとも答えの無い形で終わるのかな?
眞島秀和の悪気のない糞野郎役は完璧。
仲野太賀をキャスティングしてセリフゼロ。
柄本明のアクが強い。
妻夫木聡は歯切れの悪い役がよく似合う。
絵画と妻夫木聡の後ろ姿を重ねる画はかっこよかった。
とにかく役者が素晴らしい。