ある男のAyumiのネタバレレビュー・内容・結末

親や出生のルーツといった、自分では変えられない部分にコンプレックスを抱きながら生きてきた原と城戸。面と向かって悪口を言われる訳ではないが、周囲の人の態度や無意識な言動というマイクロアグレッション、ヘイトスピーチといった間接的な攻撃を受ける中で”新しい人生”を望む2人の姿が印象的だった。

小三浦と城戸がアクリル板越しに向き合うシーンでの柄本明の演技が素晴らしかった。城戸が抱えてきた在日であることへの感情を言語化し、妻の浮気に気づいても問い詰めるでもなく薄く笑うしかない状態に城戸を追い込む気迫に恐怖を感じた。

原作では詳しい描写があるようだが、今作では曽根崎や谷口のバックグラウンドが曖昧で少し分かりづらいところも。