凄く重く苦しいが、観終わって、明日に向かって頑張ろうと思える作品だった。
窪田正孝、安藤サクラ、妻夫木聡と素晴らしい配役だし、脇の小藪千豊、清野菜名。ちょい役のでんでん、柄本明にいたるまで、適材適所であったと思う。
今の相手を愛しているのだから、過去は問わないと言うが、中々人には割り切れない想いがある。
そして、一生隠さないといけない傷は、いろいろな人にある。
各自、その重みを背負って、前に進まなければいけない。
ラストの意外なオチも、一筋縄ではいかない物語として、良かったと思う。
冒頭のバーのタイトルショットの絵。
最初に答えがここに映っていたのだ。旋律を覚えた。
後ろ向きの二つの人物の絵。実は、鏡合わせの一人だったんだ‥凄い。
男と そっくりの父親。
男の本当の名前と 偽の名前。
その偽の名前の元の持ち主と
もう一つの偽の名前。
市民派弁護士の表の穏やかさと
裏の民族差別に対する怒り。
この作品に描かれる、同一の中の対の出来事。全てを表していたように思う。