はる

ある男のはるのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

記録。おもしろかった。というか個人的な好みとしてこういう作品は集中してみられるから好き。あらゆる問題が詰め合わされてて、みている中で何が主題なのか見失う感じがあった。最近、隣人Xをみたけど、それとも重なるところが多かったなと感じる。

自分の出生や生育歴を消してしまいたい、みたいな思いは少しわかる。この作品の登場人物レベルに理不尽かつ受け止めきれないような過去はないけど、今までの自分のことを人前で普通に話すことができない悲しさというかやりきれなさみたいなものは少しわかる。いくら自分が受け入れようとしていても、周りが同じように受け止めてくれるとは限らないしね。人が人を見るとき、先入観ってめっちゃ影響大きいと思うし。そんなときに、たとえ自分のことではなかったとしても、作り物ではない誰かの過去を自分のことのように話せたら、なりすましているうちにだんだん本当にその人になった感覚で生きれるのかもとも思う。

最後お母さんが、自分のして欲しかったことをしてたからお父さんは優しかったって話す悠人に対して、「悠人が好きだったからだと思うよ。」って伝えたのがすごくいいなと思いました。父本位の想いだけじゃなくて、あなただからだよって伝えるのは揺らぎまくる自己肯定感を支えてくれるんじゃないかな。

窪田くんの、あの雰囲気ってどこから出るんだろうね。目がすごい。
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