このレビューはネタバレを含みます
予告で自分は勝手に大きな展開を想像していたがこの作品はヒューマンドラマ。
これから何か起きるのではなく過去を掘り下げていく映画だった。
エンドロールが始まってはじめて主役が妻夫木聡だと気付かされた。
これだけアートワークにデカデカと出てればそれはそうだが。
とにかく細かいディティールにリアリティを感じる。
林業にボクシング、キャラクターの性格。
実際どうなのかはわからないけれどリアル。
場の展開やシーンの合間にしばしば美しい風景や芸術性を感じるシーンが出てくる。
写真家の撮った映像作品のような。
ディティール含めてそういったところが凝った映画だな、と思う。
お父さんがいなくなって悲しくはないけど寂しい。
妹にはどんなお父さんだったか自分で伝える。
安藤サクラと息子の対話シーンは名シーンばかりだなと思う。
入れ替わりをしたXとその家族がいい方向に進んでいたという事実が救われる。
知ってみれば別に知らなくてもよかった事というのが後ろ向きな意味ではなくとても前向きで属性や過去に囚われていなくてとても素敵だった。
ここからは少し俗な感想だけれど出てくる女性キャラクターが美しい。
序盤、安藤サクラの泣き顔も素晴らしいし、河合優実も出演シーンは少ないが魅力的。
ここまで安藤サクラをかわいらしく思ったのははじめて。
仕草や演出がとても素晴らしい。
男性キャラクターは息子役の坂元愛登と柄本明がよかった。
あと意外に小藪も悪くなかった。