なんとなく先延ばしにしていてようやく鑑賞。
しかし、どんよりして重い空気の雨の日に観るものでは無かった…笑
ミステリっぽい要素より、そこはかとなく漂う得体の知れなさと、無責任な人の悪意が辛い。
あの人の家はこうだからあの子には近づいちゃいけませんよ。
そんなふうにレッテルを貼って子供に吹聴する親が居たり、無責任な噂に勝手に相手を決めつけたり。
それって普通に私たちの世界には蔓延していることであって、自分にも経験がある。
当のその子は別におかしな子でもないのに、付き合うなと親には言われる。
子供心にとても納得がいかなかった過去を思い出す。
この映画で描かれているのは「自分のせいでは決してない社会的なレッテル」に苦しむ人たちによってもたらされた混乱で、とても重いテーマであり、今も私たちの生活に当たり前のように潜んでいるものだ。
誰1人幸せそうに見えないのがとても辛い。
少なくとも、あの3年9ヶ月が、心から穏やかな、救いのあるものであったことを願いたい。
しかし窪田くんは、こういう翳りが佇まいだけでどこまでも伝わってくる人だなぁ…
昔本人がどこかで「幸薄い役ばかり皆さん僕にやらせたがる」って言っていたけど、佇まいだけでここまで匂ってくる人って、まあ、なかなかいないもんね。