このレビューはネタバレを含みます
•誰もが地続きの現在を生きている。過去が今の自分を作っている。真っさらな状態にして人生を生きたいのなら、戸籍を変えるしかない。
•谷口大祐（窪田正孝）は父親の存在、城戸章良（妻夫木聡）は日系人が今の自分を邪魔している。
•谷口大祐は偽りの人物で家族を騙していた。けれど、戸籍以外のコミュニケーションに偽りはなく、谷口大祐（仮）という人物との関係性に偽りはなかったと確信できる。
•ラストの城戸章良は自分の日系人の顔を捨て、真っさらな自分で会話がしたかった。他人を演じることで過去の自分から一時的に解放される。
•面会室で妻夫木聡のブチギレているのにその場を繕おうとしている演技がうま過ぎる。
•小見浦憲男（柄本明）が言った”日系人っぽいってことはつまり日系人ぽい顔ってこと。”いつまでも地続きの自分がまとわりつく。
