たらこ

ある男のたらこのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.3
記録用

サスペンスと家族愛と人間ドラマとそれぞれがちょうどよく楽しめた映画。

谷口と偽ってた男の正体を知りたくて観てたけど正体が判明して男の過去を知ってくほどに切なくなった。正体を偽らなくても里枝となら上手くいったんじゃないかなって気がして。でも男にとっては新しい自分にならないと踏み出せない関係だったんだろうとも思うし、いい感じに胸を締め付けられる映画だった。

花ちゃんに本当のこと教えるのかってやり取りの中で「僕が話すよ」ってのに泣かされた。悠人…。いちばん感情移入して観てたのは悠人かもしれない。

あの終わり方も私は良かった。洒落てるようにも感じるし皮肉のようにも思えるし。
真意は定かじゃないけどあそこで谷口の人生を語ることで幸せに暮らしていた"谷口大祐"が今もそこに存在し続けてるような不思議な感覚があった。
きっと映画館であのラストを観てたら気持ち良く席を立って「いい映画だったなぁ」って余韻に浸りながら帰れただろうな。
たらこ

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