Nana

ある男のNanaのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
3.6
昨年いろいろな賞を受賞したミステリー作品。
事故で亡くなった夫は、戸籍とは違う人物だったという不思議なお話でした。

最近名作と言われる作品には出てる安藤サクラ、舅の柄本明の怪演に引き込まれました。
妻夫木聡って顔がキレイだから、ノーチェックでしたが、実はかなりの演技派で。
脇役もみんな濃くて、面白かった。

名前とか在日とか親がどうとか、人間はいろいろなマスクをつけて生きているけど、それは単なるマスク。
3人の女性が登場しますが…夫が誰だったか分からない女、連絡が途絶えた昔の恋人を思い続ける女、夫の浮気を疑う妻…幸せそうなのは前者2人。相手が誰だってどんな状態だって、信じる女は幸せなんだなあ。

男は2人。過去を消したい男だな、どちらも。幸せなのは全て捨てた男。

男は捨てることで幸せになり、女は捨てないのが幸せ?
ストーリーとテーマが面白かったので、原作も読んでみたくなりました。

監督は石川慶。同じ愛知県出身だから応援したいな。

好きなシーンは線香をあげに来た兄が「これは大祐じゃない」嫁が「大祐ですけど」兄「大祐じゃない」嫁「大祐です」と延々と繰り返すシーン。結婚して子供も生まれて信じてた男なら、あのリアクションが当然で。

あと城戸弁護士が子供にキレるシーン。あんなワガママ息子は子供でもダメでしょ。
彼の普段抑えていた本音が爆発するのが心地よかった。

ちょっとアレだったのは謎の男が鏡を見てキレるとこ。なんで女性といい雰囲気になると急にトラウマになるの?!

分からなくても良かったことってあるよね…
Nana

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