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ある男のeryuのネタバレレビュー・内容・結末

ある男(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

●観客視点
 元在日朝鮮人と身元不明者の2人がフィーチャーされていて、なんでメインになりそうな人物が2人もいるんだろうと思っていた。どんどん話が進むにつれてこの2人の共通点が見えてきて、それは自分がマイノリティだということで、互いにそれぞれコンプレックスや偏見を抱えていた。
 誰しも、羨ましい気持ちや妬ましい気持ちなどから誰かになりたいと思った経験はあると思うけれど、気持ちではなく誰かにならないと生きることができない人がいるということを感じた。

●役者
◯原誠(窪田正孝さん)
 鏡をふと見た瞬間、犯罪者の父と瓜二つな自分の姿に絶望し、自分を殺したいという感情が湧き上がってくるところの鬼気迫る姿がとても印象的だった。

◯りえ(安藤さくらさん)
夫だと思っていた人が全くの別人だとわかった時の、どういうこと?ってなるまでの流れがすごく自然で上手だと感じた。他にも、大好きだった夫の悪口を言われて何も言えなくなってしまう姿や、原と出会い原に何かあると感じても優しく守る姿は、愛情深く強い女性そのもので、強く惹かれた。
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