owlマン

パーフェクト・ノーマル・ファミリーのowlマンのレビュー・感想・評価

3.1
ある日突然父から母と離婚する事になった、理由は『女性になりたいから』と伝えられカタリーナ(姉)は受け入れるが、エマ(妹)はまだ受け入れられないでいた...

監督の実体験を元に撮られた映画らしく、店員さんに『お母さんに似て可愛いね』と言われて『お母さんじゃないって、ちゃんと訂正して』と反発したりと、今までの譲れない“父親”像とこれからの“父”の幸せを願い、受け入れたい気持ちの瀬戸際で揺れる“子ども”の気持ちや葛藤は、体験者だから描ける映画と思いました。

主人公の父も昔から自身の“性”と葛藤して、無理に抑え込んでいたのであろう、結婚して“父”としての幸せがあるのは、嘘ではないし、“娘”を心から愛しているのは伝わるからこそ、ちょくちょく娘の気持ちをおざなりにしてしまうのは、コラコラと思いました。今までできなかった事を謳歌できているって事でしょうが...

劇中で昔の思い出が間に差し込まれていて、なんか楽しい思い出を懐古しているようで切ないなぁと思っていたのですが...これからも続くであろう、楽しい思い出へ繋がっていったので、少しホッとしました。

このお父さんは、幸せですね。最初こそは、娘さんからは“拒絶”だったりはあったかもですが、娘さんの理解したい“努力”がありました。実は隠していて声に出せない人達はいるのでしょうね。

普通の家族の映画です。まだ少し“完璧”ではないだけ。
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