あるトランス女性のカムアウトとその家族の話。シス女性と会話するときに過剰に「女性らしく」ふるまってしまうシーンなど芸が細かいのは、監督自身の経験をもとにしているからでしょう。静かな雰囲気の映画です。
妹のエマは、トランスジェンダーのカムアウトより、離婚や環境の変化にショックを受けているように見えました。
家族をもつトランスジェンダーはとても状況が難しく、当事者は性別違和に苦しみ、精神的にかなり追い詰められ、極度のうつ状態や自死を含む命の危険にさらされ、早急に治療を受けないといけない状態になっていることもあるのですよね。そして、まだ幼い家族などは周囲から受ける差別や環境の変化にさらされ、トランス当事者は自分が悪いのではと罪悪感を得て、さらに追い詰められると。
トランスジェンダーへの差別が無く、十分にケアが提供される社会なら、家族や当事者が苦しむことは起きないのにと考えられずにはいられません。
