前髪メガネ

ウェディング・ハイの前髪メガネのレビュー・感想・評価

ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)
3.4
大九監督×バカリズムさん脚本で期待してましたが。。

お茶目だけど根は真面目な石川彰人と天真爛漫な新田遥のカップルは、敏腕ウェディングプランナーの中越真帆に支えられながら結婚式の準備を進め、ようやく式当日を迎える。新郎新婦の紹介VTRや主賓挨拶、乾杯の発声といった定番の演目に並々ならぬ情熱を注ぐ参列者たちだったが、熱すぎる思いが暴走し、式は思わぬ方向へと展開。新郎新婦からのSOSを受けた中越は、知恵と工夫で数々の難題に立ち向かうが、さらに遥の元恋人・裕也や謎の男・澤田も現れて……。

うーん、大九監督はバカリズムさんとは合わないのか、それとも製作サイドの問題なのか、期待を超えなかったなぁ。
大九監督も元々JCA1期生でお笑いの人だからセンスがないとは思えない、そもそも他の作品は演出とか含め面白い作品だったし、脚本もバカリズムさんらしい伏線やらシュールさと馬鹿馬鹿しさだったりと面白そうではあったのだけど。。

結婚披露宴の裏側の群像劇で描いたドタバタコメディなのだけど、、それにしてはテンポが少し悪かったかなぁ。あえてグダらせて笑いにしている感じには思えなかったし、何せ主賓挨拶でネチネチと話芸で笑わせるテクニックを語っていたのに(この執拗感は面白かった)にしては本作にそれが活かされていたかと考えると、、うーん。。

伏線の張り方も見事だったのに回収は雑。雑というより下品。大きな声で「観て下さい!これ!先程のシーンにありましたよね!覚えてますか?!今!まさにこの伏線を回収してますよ!ほら!そこのあなた!観てますか?!これ!伏線!回収してますよー!!」みたいな主張をされている様な気分になりゲンナリ。これがあえてだとしたらもっとそういった演出になっていただろうし、そうじゃないとしたら観ている側を馬鹿扱いしすぎな気がする。
サスペンスではなくコメディなので鮮やかに回収されすぎても違和感でしょうがコメディの度合いでもなかったかな。

あと、群像劇なのに各キャラの深みが浅いし、篠原涼子さんならもっとキャラクター出せたと思う。
設定的にはまぁまぁキャリアがありそうなのにそこを魅せる場を削られた気がする。
本編でも主賓挨拶の2人に時間を割きすぎた感。
あ、逆にそういった狙い?
確かに余興で鬼巻きして花束贈呈までの時間稼ぎは裏での追いかけっこのダルダル伸ばし繋ぎとしてリンクしているとは思う。
だとしたら観ているこちらにも上映時間内にこれ全部解決し切れるの?って思わせる何かがあって欲しかった。
正直、披露宴が終わった後の伏線回収パートは蛇足感は否めない。
回想パートみたいなのもあったりなかったり。あれは群像劇だからこそもうちょっと遊べた気がする。

個人的結論として、大九監督とバカリズムさんのお笑いの形が違ったばかりに良いとこ相殺しあったのではないでしょうか。もうこの組み合わせは無い気がする。

あとこれは完全なる私怨なのですが、追いかけっこのあのオチに(またやりやがったな松竹ェ…)と某大怪獣の怒りが再燃しかけましたが流石に偶然だと願い気を納めました。

次また松竹製作でコロコロコミックみたいなオチがあった日には…
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