松村文彦

さがすの松村文彦のレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
4.1
いやぁ~凄い映画でした。同監督の前作「岬の兄妹」は貧困、自閉症、売春などを赤裸々に描き、衝撃的でした。本作は貧困から這い出すために一攫千金を考える父親と健気に生きる娘を軸に話は進みます。父親が失踪し、それを娘が「さがす」というミステリー的な展開となります。前半は娘中心に、後半は父親中心に組み立てられており、失踪理由の種明かしが見事でした。
卓球のピンポン玉が床ではねる音が効果的に使われていて、不安をあおります。ラストの卓球でラリーをしながらの親子の会話が印象的でした。「パラサイト半地下の家族」で助監督を務めたこともあり、全体的な雰囲気や描き方がよく似てました。今年の個人的邦画ベスト10入り確実の衝撃作でした。
松村文彦

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