このレビューはネタバレを含みます
ディープな邦画を観ることの良さを再認識できた
大阪市民なので西成区を舞台としているところも魅入ったポイント
「殺人犯を見つけた」と言い残して失踪したお父さんを娘が探すところから物語は始まる
父と娘の少しほっこりするシーンもある冒頭から、娘の父探し物語が始まり、そしてそこから座間9人殺害事件やALSと安楽死問題といった社会問題に迷いこむように物語が展開される
エンタメだと思っていたら社会問題に迷い込むように展開する構成は少しポン・ジュノの映画パラサイトみたいだな、と思ったらやはり監督は関係ありありだった
父(佐藤二郎)が愛する妻の苦しむ姿を健気に励まし、SNSでの本音を目撃し、妻が自殺をはかろうとする様を途中まで静観してしまう流れからの殺人犯との交流と犯行、狂って行く様が見ていてとてもつらかった
自らが妻に行った事を正当化する為のように罪を重ねる狂い果てた父を、娘が卓球のラリーと会話を通して止めるラストシーンはとても印象的