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さがすのTinscowのレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
4.3
先週の「大怪獣のあとしまつ」で失った時間とお金と満足感を取り戻せた(笑)

純粋にストーリーも面白かったけど、
時間軸と娘と父それぞれの視点でバラした構成、見せ方が旨い。
佐藤二朗は当然として、娘役の子すごいわ。

読めない展開素晴らしいです。
家で観てたら所々うわっと声あげてたかも。
卓球シーンの空白(間)、娘の告白、胸に突き刺さった。ピンポン玉を象徴的に使い、あの卓球シーン。そんなラストに唸らされた。

事件事故に巻き込まれるシリアスなヒューマンドラマ。
貧困層の暮らしぶり、昭和な香りが残る町なみ。
これらが合わさった邦画のアタリ率は高い(個人調べ)

しかもこれだけ傑作で評判良いからほぼ満席なのに、上映館の圧倒的少なさ。
かたやキャストだけ並べて面白くない娯楽作品やテレビの劇場版は全国300館ロードショーとか、
まだまだ日本映画の未来に光は見えない。
なんてことを10年以上思っている。

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追記
2/27 2回目の鑑賞。
最近の映画でこれは面白すぎたので。

パラサイトのポンジュノ感があるというコメントをちらほら見かけますが、確かに画とか迫り来るモノがポンジュノ的。というか、ポンジュノ監督の元で仕事してた監督さんなんですね。納得。

「さがす」が探す、捜すでなく、ひらがななのは、いろんな「さがす」の意味があるからか。失踪した父親をさがすところから始まり、過去をさがす、本当の姿の父親をさがす。犯人をさがす。
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