大阪の西成周辺がメインに、とある家族と連続殺人犯を繋げるものとは…
西成の夜は深くて寂しい。
それは主人公でもある原田家そのもののよう。
母の死以降、父は無気力に生きている、そんな父を怒りながらも大好きな女子中学生。
しかし、ある朝、父がいなくなる。必死に探す娘の楓、大人に相談しても誰もまともに向き合ってはくれない。悲しい現実。それでも父との会話を思い出しながら、必死で手掛かりを探していくと、父の名前で労働してる青年を見つける。それが実は連続殺人犯の名無しと呼ばれているやつだった。
父は生きているのか?名無しと父の関係は…
必死で父を探した娘の思いは…
愛する人がどうしようもない病になった時、果たして殺していいものなのだろうか?生きていることが苦しいからといって誰かの手に自分の生死をゆだれることってどうなんだろう?それがその人にとっての救済なのだろうか?
今回も人間として生きていくこと、死んでいくこと。家族に対しての愛情を受け止めながらも敢えて別れを告げることの切なさ。仲がいいだけに余計辛い。
父親役の佐藤二朗さん、そして娘の楓を演じた伊藤蒼さんのやり取りがお見事で、卓球のラリーのシーンは本当に凄かった。
自殺依頼をする女性に森田望智さん。今まで見たことないような役を見事に演じられていました。